太陽と昼顔の眠る丘で
月がぼんやり浮かび 首すじを舐める
真っ黒い影がわたしを食べる夜も開いたままの目
わたしはもう一度 昼顔の匂いで肺を満たす子守唄は きみが眠る手助けになったんだろうか
きみが死んでしまった日にわたしはスミレ色のスカートを穿いていた
きみが死んでしまった日はとても暑くて首筋を汗が伝った
きみが死んでしまった日のことを時々忘れて それで思い出す
きみが死んでしまった日はまだきみが死んだことを信じていなかったきみの身体はもう土の下にあって 二度と動くことはない
穴の開いたオルガンを きみの指はもう弾けない
絨毯を敷いた階段を きみの足はもう昇らない
どうしたらいいか分らない きみの目がもう開かないなんてきみが死んでしまった日はきみに空を返そうと思っていた
きみが死んでしまった日の朝は薄く曇っていた
きみが死んでしまったとき ぼんやりとした昼間だったね
きみが死んでしまった日の夕暮れもいつもと何も変わらなかったのに
きみが死んでしまった日はベッドに入らなかった
きみが死んでしまった日 わたしはきみに会えなかった
きみが死んでしまった日の前日 きみが消えてゆく朝焼け「 また ね 」 っていう声を 今はもうちゃんと思い出せない
紫陽花が咲いたあの日 きみは死んでしまった