半分だけかじったスポンジケーキを眺めて
雨が降るのか降らないのか考えていた
踵に踏み癖がついた靴の斜めでは
水だけで間延びしてしまった蔓が白く横になる
ぼくはきっと鎖にでも繋がれているんだろう
洗い物が崩れそうになっている流しをぼんやりと眺めて
朝方なのか夕方なのかもわからない
こんな牢屋からさえ出たいとも思わない
歯磨き粉の味のするコップがきみの冷たさで満たされていく
そんな朝をもう迎えたくはないんだ
ギリギリと痛むのはただ奥歯の根もとだけ
攫われる足下の砂のその下がからっぽだったらどんなにいいかって
そんなことを誰かにわかって欲しくってしょうがない
そんなぼくの欲求
痛みを忘れたこころの見る夢


 

 

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