想うなら 月の夜がいい
狂っても美しければ
交互に組まれた綿密な指をほどくことはない同じ配置の星降る夜 疼くところが夢の中でも
冬の始まり
柘榴群青の夜に芽吹く
月の光に晒されて
深い白を闇色に染める
正しく光を食むことさえ
崩れゆく意識のなか
苛辣なものと化す抱き締めて
手を握っていて
心臓のとなり 酸素の供給
一人歩きをしないうちに
丁寧に根付かせて堕ちた天蓋
洪水のような星屑
密やかな夜空に
毒を孕む季節を重ね 今年もまた
真紅の果実が疼き始め
憂いを熟れさせるいつが始まりで いつが終わりなのか
分からないまま
実に口付け 歯を立て
咎の種をも嚥下する